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こちらに興味を持っている証拠だ。
にらんだ通り、彼は特に警戒する素振りもなく、
「あー、俺? 俺は須崎蓮」
「須崎くん、だね」
「蓮でいいよ。須崎のほうは、呼ばれ馴れてねーから」
言いながら須崎は女性の傍らへしゃがみ込み、自身の膝を台にして頬杖をついた。
「そういや俺もさ、しんどすぎて割とすぐ意識失っちゃって、変化中のことは全然覚えてないんだよね。起きたら手も足も真っ白になってて、けどビックリするより先に、『あ、生きてた』って思ったわ」
須崎が自身の首元に手を這わす。
「妙に喉が渇いてて、けど、水を飲んでも全然駄目でさ。したら、オレが起きたことに気づいた看護士さんが、そっこー輸血してくれたのよ。したら、さっきまであんなカラッカラだったのに、一気に満たされてんの。あー、なるほどこれは"吸血鬼"だわって妙に納得したんだよなー」
「……辛かったかい?」
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