バーベナの決意

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 充希の言葉に、栃内は瞼を伏せて「そうですね……」と呟いたかと思うと、思い当たったように瞬いて、 「あの、ええと……相方さん?」 「ああ、僕としたことが、すっかり忘れていた。充希と呼んでくれ」 「それじゃあ、充希さん。お詳しいんですね、"VC"のこと。もしかして、お笑いだけじゃなくって、お仕事でも野際さんの相方だったりします?」 「僕は是非ともそうなりたいと望んでいるんだけどね。どう思う? 巧人」 (俺に振るのかよ……)  国レベルで取り合っている"ヴァンパイアキラー"を相方に? 冗談じゃない。  出来る事なら面倒事を起こされる前に、どこかに引き取ってもらいたいくらいだ。  そんな本音など当然言える筈もなく、俺は苦し紛れに「……今はお試し期間ってところです」と返答した。 「だそうだ。巧人教官は厳しいな」おどけた風に充希が肩を竦めると、 「きっと直ぐに認めてもらますよ。だって二人、こんなに息ぴったりなんですから」栃内が口元に手を遣ってクスクス笑う。  途端、充希が「おや」と目を丸くした。気づいた栃内が不思議そうに「どうしました?」と首を傾げる。
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