罪なき罪を背負う

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――今日であの最悪の爆弾騒動からちょうど10年が経ちました。今だにその爆弾によって拡散された未知のウイルス、“カロンウイルス”による死傷者は増加の一途を辿っています。―― 僕は朝食のトーストにマーガリンを塗る。 サクっと噛めば、香ばしいパンの香りにマーガリンの油分がちょうどよく混ざり合っていてとても美味しい。 ・・・そろそろ時間か。 時計を見ると時刻はもう8時10分を指していた。 僕の通う高校までは徒歩で10分もかからないからもう少ししたら家を出よう。 食べ終わった食器を片付けて、仏壇に手を合わせる。 「・・・父さん、母さん、行ってきます。」 「あ!はるくん!おはよう!」 「おはよう、奈留。」 通学路を歩いていると、幼馴染の奈留が手を振りながら挨拶をしてきた。 「えへへ、今日は寝坊しなかったね!偉い偉い!」 「今日はなんとか起きられたよ。」 「だから私が起こしに行ってあげようかーって・・・げほっ、げほっ!」 「!奈留!大丈夫か!?」 「う、うん・・・。平気。まぁ、私達にとってはいつものことだしね。」 奈留は額に汗を浮かべながら笑う。 「・・・もうあれから10年経つんだね。私達はいつまで生きられるかな・・・。」 「奈留・・・。」 「あ、ごめん!こんなこと言ってても仕方ないよね!忘れて!」
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