罪なき罪を背負う

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「なぁはる!見たか?このニュース!」 昼休み。 別のクラスの幼馴染、秋がやってきて、嬉しそうにスマホの画面を見せてきた。 「どれ?」 「新しくできたテーマパークだよ!いいよなぁ、行きてー!」 秋はもどかしいようにその場でじたばたと手足を動かした。 スマホを覗きこむと、水上を走るジェットコースターにはじけるような笑顔で両手を上げる人々の画像が映っていた。 「楽しそうだね。」 「ぜってー楽しいよ!この街が解放されるまで潰れないでほしいなぁ・・・。」 そう言って秋はガクッと肩を落とした。 テーマパークか・・・。 普通の高校生なら放課後にすぐにでも行けるんだろうな。 ここが閉鎖されていなければ僕たちだって・・・。 「そうそう!そう言えば本題を忘れてた!」 秋は思い出したように手をポンっと叩いた。 「本題?」 「さっきさ、奈留ちゃんが俺のクラスの奴と一緒に屋上に行くのを見たぞ~?いいのかい?は・る・くん♡」 「・・・別に奈留とはただの幼馴染だし・・・。僕には邪魔する権利なんてないし。」 「いいから行って来いよ!・・・本当言うと、新薬が開発されない限りは俺たちはいつ死ぬともしれない命なんだ。好きな子との未練は残すなよ!」 「秋・・・。」 「好きな子いるだけいーじゃん!俺なんて気になる子すらいねぇし!」 秋はそう言って笑った。 「・・・秋、ありがと。とりあえず困ってないかだけでも見てくる。」 「おう!嫌われない程度に頑張れよ~!」 大きく手を振る秋に背中を押されて、僕は屋上に向かった。
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