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一週間後。
奈留は死んだ。
あの約束をした次の日から急激に体調が悪化して、昨日までほとんど寝たきりだった。
最後の言葉なんて聞く間もなく、奈留は眠る様にこの世を去った。
奈留・・・奈留、ごめん。
僕の頬にはまた大粒の涙が伝っては落ちた。
僕には罪がある。
――10年前、6歳の僕のもとに空から謎の球体が落ちてきた。
そこにはカウントダウンが表示されていたけど、よくわからなかった僕は、それを近所の神社の裏に埋めたんだ。
そこは僕だけの宝箱だったから。
その日の夕方、奈留や他の友達と遊んだ帰り道に神社が爆発した。
衝撃で僕の家と奈留の家は全壊、近所も粉々だった。
たまたま友だちと遊んでいた僕らは生き延びたけど、例のカロンウイルスの恰好の餌食となった。
僕はそのことを今まで誰にも言えずに生きてきた。
僕の罪。
あの日、爆弾を神社に埋めてしまったこと。
―――そして今。
空から降ってきた、二つ目の爆弾を爆破させようとしていること。
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