背中を押されて

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「史奈〜。」 アパートに着き、階段をのぼり部屋のドアをノックしながら名前を呼ぶ。 「史奈〜?入るよー?」 しばらく返事が無かったから勝手に入ってみることにした。 あれ?何故だ。いない。今日はバイトじゃない日のはずだ。 ─皿が溜まったキッチン、椅子に乱暴にかかった服、机の上に散乱している資料や本。 全ての部屋を回るが、 やっぱり、どこにもいない。 部屋を見回していると、ノートパソコンの画面がついていることに気がついた。Twitterだ。 彼女がTwitterをやっている事は以前に何度か話を聞いて知っていたが、まさか投稿していたとは。 プロフィールを見てみると、どうやら日記として使っているようだった。 数十人もフォロワーも皆、似たような投稿をしている人だ。 アイコンは私とのツーショット。顔にモザイクはかかっているが、風景を見て分かる。 最後の投稿は昨日の夜9時。外出中の投稿らしいので、アカウントはパソコンとスマホで共有しているのだろう。
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