背中を押されて

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【なんかずっと後ろから知らない人に追いかけられてるんだけど。笑 怖い〜】 涙をこぼす絵文字をつけて軽い口調だ。怖さを紛らわす為だろうか。 他にも、この投稿の前に似たような投稿をしている。 【もしかしてつけられてる?】 【怖い怖い】 かなり連続して投稿している。 ─やはり、史奈は死んだのだろうか。 投稿された時間と、ニュースで見た時間が一致する。 実感が湧いてきて、額から汗が吹き出てくる。 考えた途端、色んなものが込み上げてきたのと同時にとてつもない吐き気がした。 せめて外で吐こうで吐こうと思ったがそんな余裕はなく、トイレで吐いてしまった。 もう帰ろう。ここにいても気が持たない。 「史奈、ごめんね」 部屋に向かってポツリと呟き、靴を履き部屋を出る。 「ほら、行って」 「え、?」 言う間もなく、後ろにいる誰かに背中を押されドアがしまる。 少しの間は訳が分からなかったが、直ぐに分かった。 明日、お線香あげに行こう。 そうだ、帰りに史奈の好きだった午後ティー買って帰ろう。 などと考えながら、帰路に着く。
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