<初めての告白は変わる為の儀式>

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<初めての告白は変わる為の儀式>

「マジで本気にしてるとか、地味暗(ジミクラ)ってホント笑えるだけど」 「で、どうすんの?そのまま付き合っちゃえよ?」 「いや、それは」 「とりあえず一発ヤッて終わりでいいんじゃね。そこまで慎一を追い込む必要無くね?」 「何、次郎。マジになってんの」 「いや、だって慎一が乃乃(のの)のこと好きなの知ってて乃乃とのデートを餌に松下と一発ヤルゲームをやってんだろ、なんかお前ら見てて気分悪くなった」 「いや、お前だって乗ってきたじゃん」 「まさか本気にすると思わねぇし。てか、隆が自分の彼女を餌にするとかって最低だろ。そこんところついていけねぇや。じゃあ」 そう言ってこちらに歩いてくるのは中田次郎だ。 昨日、同じ大学で経済学部2年の上野慎一くんに告白された。 時々講義が一緒になるから顔は知っていっていたというか、悪役令嬢系美人の井口乃乃を中心に佐藤隆、中田次郎そして上野慎一くんがいつも一緒に居てちょっと目立つ存在だった。 上野くんは特に好きとかではないけど異性に告白されたのが初めてで、その場合の対処方法がわからないし、地味で目立たない私を見ていてくれたことが嬉しくて付き合うことになった。 そして冒頭の会話を普段はあまり人のいない旧校舎の小講義室で4人が話しているのを今まさに聞いている所だ。 この教室は誰にも邪魔されずのんびりできるため、休講や講義の合間などに来ていたが、あの告白がまさかそんな下品な賭けにされていたいたことにショックを受けた。 中田くんがくる前に何処かに隠れようと思ったのに、逃げることも隠れることもできず教室から出てきた田中くんと目が合ってしまった。 「うわっ、松下・・・オレは関係ないから」 気まずそうにそう言うとダッシュして行った。 逃げ出したいのは私の方だよ。 中田くんの声に反応した上野くんが走ってきて、その後から井口乃乃と佐藤隆がニヤニヤしながら歩いてきた。 「その、ごめん聞こえたよね?」 「私こそごめんなさい」 何で謝らないといけないのかわからないけどつい言葉が出てしまった。 上野くんが気まずそうにしているとその後ろから会いたくない二人が現れた。 「でも、ジミクラちゃん一瞬でもいい夢見れたでしょ。慎一ってそこそこイケメンだし、ラッキーじゃん。せっかくだから抱いてもらえば。ギャハハ」 佐藤隆が井口乃乃の腰を抱き寄せると、上野くんがその様子を一瞬みてから目を背けた。 「そうだよ、付き合う事になったんだろ。カレカノなんだからさ」 井口乃乃は自分より下だと思う人間にはとことん意地が悪く、それにこの取り巻き達が加担する。 そのターゲットが今回私だったんだ。 「あの、松下」 上野くんが何かを言おうとした時、もうこの人たちの言葉を聞きたく無くて走って逃げ出していた。 バカみたい
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