<初めての告白は変わる為の儀式>

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日付が変わったいわゆる深夜に2SLDKというよくわからない間取りのマンションの寝室に男性とキングサイズのベッドに座っている。 「今日はもう遅いから寝ましょう」 「はい」 「緊張してる?」 「それは・・・」 「あははは、大丈夫ですよ。契約は守りますから亜由美もきっちりやってもらいます。さあ、寝ましょう」 そう言って竜基さんは私の隣で規則的な寝息を立て始めた。 はやっ ベッドは大きいから隣に寝ていると言っても離れているし、寝心地が良いか悪いかなら、とてつもなく寝心地がいいベッドだ。ただ、隣に誰かが寝ているという体験したことがないから落ち着かない。 どうしてこんなこんな情況になったのかおさらいをしてみる。 竜基さんが提案した取引とは、私が変わるための手伝いをするための交換条件として1ヶ月間の契約恋人となり3週間後にフランスから一時帰国をするご両親と会うこと。しかも、1週間の滞在期日間中は食事会やらパーティやらにも同行することが条件だ。 冷静になって考えると荒唐無稽な話なのに バーテンダーとしか知らないはずの竜基さんの提案を魔法がかかったかのようになんの不安も無く二つ返事で了承してしまった。 そして、契約恋人ではあるけど、両親が来た時に不自然にならないために一緒に暮らして一緒のベッドで寝ようと言われてその提案も断れずにこの情況なのだ。 竜基さんはモテそうで、契約なんかしなくてもいくらでも恋人が出来そうだと聞くと 「今は結婚をするつもりはないから、下手に両親に会わせて勘違いをさせたくない」のだそうだ。 私は単なる契約恋人で1ヶ月が過ぎれば、今まで通りにバーテンダーと客に戻る。 竜基さんには好きな人が居て、何かの理由で公にできないから私なんだろうか?でも、私でうまく演じることが出来るんだろうか?そんな事を色々と考えしまって、とてもじゃないが眠れそうにない。
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