<初めての告白は変わる為の儀式>

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亜由美 亜由美 ん・・・あれ?実家に帰ってきたんだっけ? 「亜由美、ご飯ができてるぞ」 起こしてくれたのが母親ではなかったことで一瞬にして覚醒した。 そうだった!竜基さんのマンションだ。 慌てて跳ね起きると白いシャツに黒のカジュアルスラックスにソムリエエプロン姿の竜基さんに悩殺されてしまった。 朝から刺激が強すぎる。 完全に魂が抜けている私に「すごい寝癖、かわいいね」と言って髪の毛を指で鋤くその姿に一瞬見惚れるも、自分が今、ボサボサの頭に普段からぼんやりしている顔が寝起きでさらに見られないくらい酷くなっていることに気がついて両腕で顔を隠す仕草をした。 「洗面所は昨日教えてあるよね」 「はい」 「じゃあ、行っておいで」 バーテンダーの竜基さんは夜はセクシーなのに、朝はこんなに爽やかなんて1ヶ月を無事に乗り切ることができるだろうか? 昨夜、竜基さんの仕事が終わるのを待ってから一緒に私のアパートへ行き当面必要なものを持ち出してこのマンションに来た。 洗面台はスッキリしていて女性の影が見えない。それとも、きっちりと隠してあるのかも。 こっそりと収納を開けてみるが数種類の洗剤が置かれているくらいで何も見当たらなかった。 キッチンに向かうとオムレツと野菜が挟まったクロワッサンと野菜ジュースがテーブルに並んでいた。 「うわ、凄い!美味しそう」 「美味しいよ。さぁ、座って一緒にたべよう」 クロワッサンを食べる姿も爽やかでかっこいいと思いながら私もクロワッサンを頬張るとシャキシャキ野菜とクロワッサンのサクサク感、そしてソースがコールスローのような感じでさっぱりして美味しい。 「おいひい」 思わず頬を手のひらで押さえた。 「気に入ってくれて嬉しいよ。今日から忙しくなるからたっぷりと栄養は取ってもらわないと」 「え?」 「食べ終わったら出かけるよ、ちなみに土曜日は講義が入っている?」 「講義は無いですが夜はバイトがあります」 「そうだったね」 ん?バイトの話ってしたっけ?飲んで話たのかもしれない。 「了解、じゃあバイトの時間まで出かけよう」 それからコレと言うと鍵を渡された。 「1ヶ月間は亜由美の帰る部屋はここだからね。オートロックのナンバーはこの期間だけ亜由美の誕生日にするから、終了したら変更する」 「私は何をすればいいんでしょう?」 「色々な事をしてもらうよ」 色々な事ってなんだろ??今更ながら変な危機感が襲ってきた。
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