<シンデレラは王子様と幸せに暮らしました>

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「疲れたーでも楽しかった」 ソファにゴロンと寝転んでいると竜基さんがミネラルウォーターのペットボトルのキャップを緩めてから手渡してくれて、それを三分の一ほど一気に飲み干すと動き続けて話続けて水分不足だった体に沁みていく。 「まだまだ気を緩めるわけにはいかないぞ、オープンはこれからんだから」 竜基さんは上着を脱いでソファの背もたれにかけてから隣に座った。 「うん、わかってる。でも、竜基さんがずっと考えていて私が学生だった頃から私も一緒にお酒や器を探していたお店がとうとうオープンできたのがうれしくて、これからだってわかってるけどなんだか安心しちゃった」 オープンが追い込みになって企画営業部の新人の私と社長である竜基さんはすれ違うこともたくさんあったけど二人でいられる時はたくさん話をした。 「たしかにひと段落はついたな」 そう言いながらネクタイを緩める竜基さんは最高にかっこよくて、少し疲れ気味で目に隈があるのがセクシーだったりする。 3年前、トラウマを抱え大学ではクラスメイトに傷つけられた私に魔法をかけてくれた魔法使いは素敵な王子様だった。 「生活は今のままで特に変える必要はないが、結婚をしないか?」 真っ直ぐに私を見つめる竜基さんの瞳には私が映っていた。 わたしはゆっくりと頷いた。 シンデレラは王子様と幸せに暮らしました。
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