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111-2 恭子編 6
6.☑
「どうして? ちゃんと説明してあげればよかったのに」
「白鳥さん、元カノの言うことを何の疑いもなく信じて
るようだったし、元カノの嘘で俺は俺でテンパってしまっ
てて、勿論嘘ついた元カノにもはらわた煮えくりかえった
けどさ、約束してない時間に突然来ちゃった白鳥さんにも
なんか腹が立ってきて、内心パニクってしまってさ、とて
も冷静で説明なんてできる状況じゃなかったね」
「その元カノは、どうしてあの日森田さんの部屋にいたの? 」
「約束もなく、突然来たんだよ。
白鳥さんとデートの約束してたこともあって、用がないなら
早く帰ってくれって話してたところだったんだ。そこへ間が
悪く白鳥さんが来て・・」
「元カノさんは、新しい彼女ができたらしい森田さんに
意地悪したくなったってわけだ。酷い人ね~。ってことは
森田さんにまだまだ未練があるのかもぉ~」
「やり直す気はないよ」
「多恵子とも? 」
「ぁぁ、彼女ともね。なんかもう、めんどくさいっ」
「分かる気するぅ~。白鳥さんとやり直せば? なんていう
ことは言わないけど、元カノの嘘は話しておきましょうか? 」
「いや、いいよもう。まぁ、恭子ちゃんが信じてくれて
それでこの話は良しとするさ」
「分かった。でもこんなドラマみたいな行き違いって
ほんとにあるんだ。災難だったね」
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