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108. 恭子編 2
2.
石川恭子が、上手くいってると思っていた白鳥から、
付き合ってる森田との別れを聞かされたのは、クリスマスの翌日で
世の中が気忙しくなろうとしている年の瀬のことだった。
恭子が話を聞いたのは、仕事帰りの、駅からほど近いカフェの中でだった。
そこは老舗でモダン風ではあるが昭和の香のする
シンプルな内装になっていた。
・・と語るも、実体験などではなくテレビでちらっと見た
昔のドラマなどからの感想だったのだが。
ちょうど失恋の話を涙ながらに語るのにピッタリ、と
いった風に。
同じ職場で今後度々顔を合わせるのも癪なので、年明け
早々辞めると多恵子が言い出した。
ンもう~、これだから職場恋愛は難しいのよね~。
そうだよね、分かるわ。
しかも振られた側っていうのはさぞかし・・。
私は心の中で相槌を打った。
しかし、よくよく別れる原因になった話を白鳥から聞いてみる
と、微妙な心持ちになった。
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