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私は作品を書いているとき、笹川彼方になった。
でもいつからか、自分と作中の笹川彼方との感情の境目が分からなくなってしまった。
笹川トリップという名前で作中に登場するそれは、
まさに現実の私の姿そのもののようだった。
さすがに怪我をしたりはしなかったが、それでも、自分のなかにある笹川彼方が時々現実の私を飛び越えて出てきそうになると、私は自分が怖くなった。
笹川は私のなかで人格として形成されたのか、どんな出来事も面白い、面白い、これは小説のネタになると、どんなに辛いことも不敵な笑みで飛び越えていった。
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