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「毎日、暑いですね。夕焼けだし明日もバカみたいに暑いんだろうな」
小宮くんが、西の空を見上げて云った。
「そうね。たまには少し雨が降るといいんだけど」
悠子がそう云うと、小宮くんが、
「そうだ!水の神様でもある、龍神さまに頼みましょうか」
「小宮くんって、若いのに詳しいのね」
悠子に云われて小宮くんは少し恥ずかしそうにしている。
「僕、好きなんです龍が。カッコイイなと思ってて」
私も涙を拭って立ち上がった。
「うん、カッコイイね、龍って」
「森田先輩もそう思いますか?嬉しいな」
「今夜の内に雨が降るように、龍神様にお願いしようか」
「そうですね。雨のことは龍神さまに任せますか」
「ついでに、課長にだけドシャ降りになりますように」
私の言葉に悠子も小宮くんも笑った。
「そのことも、お任せしましょう。
龍神さん、宜しくお願いします!」
眩しい西陽が、拗ねたように暑い陽射しで抵抗していた。
了
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