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「ちょっと、邪魔だからどいてよ」
「どかない!杏が行くのを止めるまで通さない!」
「子供じゃないんだから」
私はそう云って悠子の横をすり抜けた。
「杏!止めて!」
「森田先輩、行くのは止めてください!」
振り返ると、小宮くんがいた。
「なんで、小宮くんが……」
「会社を出る、お二人の様子が変だったので、慌てて着いて来ました。
森田先輩、田端課長なんか信じちゃダメだ!あの男は森田先輩を本気で大切になんか思ってない」
「そんなこと、なんであなたに分かるのよ!」
「先日……お二人がホテルから出てくるのを見ました」
「知ってるわよ」
「課長は自分のことしか考えていなかった。森田先輩を放ったらかしにして、自分のことだけしか考えていなかったです。
周りの様子ばかり気にして、先輩のことを全然、見ていかなったんです、あの男は」
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