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思わず大きい声が出て、持っていたスプーンを炒飯の山に突き刺してしまった。
そんな私に一瞬きょとんとした後、「ははっ、ハルヒ可愛い」と愁は頬杖を崩しながら声を出して笑うけど、だから違う、そうじゃない。
「そんなの求めてません」
「そんなのって何?手伝いの方?"可愛い"の方?」
「両方です。お風呂は一人で入れるし、そういう事は軽々しく人に言わない方が良いです」
「軽く言って無いよ。俺がハルヒに使う言葉は、その都度結構重いから」
ふっと笑った愁は、やっぱり少し首を傾げて口角を上げたまま目を細める。その仕草はいつも通りと言ったらそうなんだけど、でも今日は少し違って見えて。
私の部屋だからか。
今は二人だからか。
ソファーでも椅子でもなくカーペットに直に座っている体勢も、こじんまりとした部屋も、二人きりで対面している状況も。
普段と違うから、
少なからず影響してるのかもしれない。
ただ、空気が不穏だった。
険悪って訳じゃ無いけど、なんと無くここ最近の経験から凄く嫌な予感がしてきた。
そういえば私、普通に愁を部屋に上げて、普通に服を貸して、普通に夕飯を一緒に食べてるけど、この状況駄目じゃない‥?
『ハルヒを一人にして帰る訳無いじゃん』
さっきの言葉がフラッシュバックする。
…え。この人、泊まる気なのか…?(今更)
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