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『僕の玩具だ』
…途端、"違う"と分かる。
この男の子は、普通じゃない。
私の知ってる、普通の男の子じゃない。
動揺が漏れ瞳を揺らした私を見て、きょとんとした顔の男の子は、ふっと目を細めて笑う。
普通の笑い方。
普通に笑ってるだけなのに、怖い。
ギリっと掴まれた髪に力が入って前に引かれる。距離が埋るのが嫌で足を踏ん張って前のめりになるのを阻止すれば、今度は乾いた音が響く。
気付いたら、顔が右を向いていた。
左頬に感じる、熱を帯びた痛み。
叩かれたと気付くまで、そんなに時間はかからない。
『言う事聞かない玩具は好きじゃない』
『抵抗すんな。お前は、俺のだよ』
"異常"だ。
すっと目尻から冷たい水が頬を伝って流れ落ちた時、見えていた物全てが歪んでいく、そんな感覚がした。
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