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ぐらぐらと揺れる頭の中、気付いたら身体も揺れていて、熱く上がる湯気が全身を包んでいた。
湿っぽい身体は汗からか、立ち込める湯気からか。
そんな事を考える余裕もなく、蓮の腰が私に打ち付けられる。ズクズクと下を出入りするそれが強い圧迫感を伴って、同時に快楽の渦へと引きずり込む。
…こんな事してたら駄目だって分かるのに、
押し寄せる波に自分じゃどうにも出来なくて。
涙を流しながら、自らも腰を振っていた。
酔いのせいにして、アルコールのせいにして、決して意識が無い訳じゃない頭は、考える事を拒む。
『彼女になってよ』
どういう意味?
…蓮
意味が、分からない…
ただ、
ずくっと奥を擦り上げたそれに抑える事もままならない声が漏れて、反った背の下から胸を手のひらで覆われて。
背後から頬に寄せられた顔が、
少しだけ苦しそうに私の横顔を覗き、
「ッッー」
綺麗な薄紅色の唇の下から八重歯を覗かせて、
伏し目で鋭い視線を落とし、肩に甘く噛み付いた。
―――
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