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縁に設置されたソファーに腰掛け、頬杖を付く。ハルヒの鳴き声を聞きながら、明かりを灯したスマホに視線を落とす。
from.聖
向こうが落ち着いて帰ってきたんだけど、
時間空いたらどっかで会わね?
……
…このタイミングで聖か。
3ヶ月前に会ったのが最後で暫く会ってなかったけど、聖は昔と何も変わってない。俺がどれだけ女を勧めても彼女は一度も作らなかったし、女関係はずっと白。
あの顔で童貞って、
女子からしたら発狂もんだけど。
……
簡単に釣れる女が楽で、俺は欲に逃げてきた。
でも聖はそういう事を全くしてこなかった。甘い蜜を垂らされても、聖にとって味を感じるのは今もハルヒだけで。
to.聖
良いよ。
俺も聖に話したい事があるから。
from.聖
ハルの事だろ?
愁と今、一緒に居るって聞いた
…そうだよ。
ハルの事を話したい。
聖の知らないハルヒの顔を、声を、表情を。声を大にして話せる程、俺は汚い人間だから。
聖やハルヒみたいに俺は綺麗じゃないから。
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