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舌打ちを打つ訳でも無く怪訝に喉を鳴らすと、再びハルちんに手を這わす。…怒ってる癖に手付きは優しい。
しゃがんだ浴衣の裾を見て、
軽く覗き込んだ俺は目を細める。
「絶対勃ってんでしょ。我慢は身体に悪いよー」
「これ以上ヤったらハルが泣く」
「……」
「俺は、蓮のフォローはしないから」
笑ってんのに、自分の顔が笑ってないのが分かった。
上から滑らせた手は際どい所に触れて、それじゃないモノで濡れてる内腿を触り、ゆらりと空気を変える。
手を止めた伊澄の横顔が、柄にもなく曇るけど。
……
それ以上何も言わない。
再び手を動かし、丁寧に指を這わせて泡を伸ばす。
全身に指が這う間も、ハルちんは眉を垂らしたままぐったりと動かなくて。腕で身体を掬い上げ背中にも泡を伸ばした伊澄は、桶で掬ったお湯でゆっくりと泡を洗い流す。
肩まで捲った浴衣の袖も足首に掛かる裾も、
跳ねたお湯で濡れてるけど、そんな事お構い無く。
しっとりとしたハルちんの髪の隙間から覗くピアスとお揃いのそれを身に付けて、向かい合う二人の耳が、俺の目にはハッキリと見えた。
ははっ、
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