温泉旅行3

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【伊澄side】 濡れた身体を拭って、クローゼットにある予備の浴衣をハルの身体に被せ、俺も別のを羽織る。 そのままベッドへと連れて行き寝かせた。 枕の上にタオルを敷き、濡れた髪を下ろす。タオルで拭っても髪は簡単に乾かない。 すやすやと表情を強張らせたまま眠るハルの髪をタオルで拭いながら、落ちていた氷袋を拾ってハルの額に当てる。 「……」 …痣が出来てる。 もっと殴っとけば良かったかな。 ハルの眉間に指の甲で触れ、そこに出来た皺を伸ばした。瞼が微かに動き、目を開ける事無く伸びてきた手が俺の浴衣を掴む。 するっと力無く布地を掴んで、 「……れ、んっ‥、ゃめ」 「蓮じゃないよ」 蓮じゃない。俺は、 「…ぃ、ず」 たった一声発しただけなのに俺の名前を呼んだハルは、眉間に刻んでいた皺を伸ばした。俺の手がシーツに落ちる前に、ハルの目から涙が浮かぶ。 考える間もなく身体が動いて、 音をたてるベッド。 肩から羽織っただけの浴衣は前が大きく開いていて、足を広げた俺は、小さく横になるハルの上に跨がった。
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