温泉旅行3

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顔を近付けて、指でピアスを弾く。 「ハル」 用も無く名前を呼ぶ。 重力でぱさりと落ちた前髪の下から、可愛い顔で眠るハルの横顔を見下ろして。行き場の無い手は然り気無く、浴衣の上からハルの胸を包んでいた。 それだけで反応するから、自制するけど。 …それすらも愛おしい。 俺の手っていうより外部からの刺激に反応している身体は、ハルが求めてるものじゃないって分かるから手が止まる。 …… 俺だって蓮と一緒で。千冬と、愁も一緒。 自分の勝手気儘にハルを付き合わせて、ハルが望んでない事をしてきた。自分の欲を晴らすために求めて、拒まれて、それすらも可愛いからって理由を付けて止められない。 そこに、正当な理由なんて何も無い。 ハルを傷付けて、その度に壊してるだけ。 簡単な問題は馬鹿な俺にも明確な答えが分かるのに、いつも間違った方を選んでる。間違いが、正解であって欲しいと思うから。
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