温泉旅行3

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答えは変わらないのに、 根本的な問題を自分じゃ解決できない。 「ハル、起きて」 「……」 「起きて俺を見てよ」 全く魅力を感じなかった女の子が、影で俺の事を守ってくれて、笑ってくれて、俺のために怒ってくれて。たった数日でこんなにハルを必要としてる。 ハルと会う前の自分を覚えてない。 どうやって息をしてたのか、どうやって笑えてたのか、何に対して苦しくなったのか、何も。 感情の中心にハルが居て、 ハルの存在に今は動かされてる。 だらんと落ちたハルの手を掴み、俺の胸に当てた。そのままするっと肌を滑らせて腰に回す。 横向きで眠るハルの首筋に、顔を… 「伊澄」 名前を呼ばれて顔を上げた。 襖に肩を寄せ腕を組んで立つ愁が、目を細めて不敵に笑う。「今、手出したら伊澄も同じだけど」って。緩んだ顔で、本気の言葉を吐き出す。 「疲れてるから寝させてあげて。こっちで花音が持ってきた人生ゲームでもして遊ぼうよ」
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