温泉旅行3

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言った後、愁の顔から笑みが消える。 ガタガタっと襖の向こうに千冬と蓮の気配も感じて、膝を滑らせベッドから降りた。 「(浴衣の)前締めて」 入ってきた愁が、俺の代わりにハルに布団を被せる。氷袋の代わりに濡れたタオルを額に乗せて、するっと顎下を撫でて愛おしそうに目を細めた。 「キスすんなよ」 前襟を締めながら、愁を睨む。 視線の先に居る愁はそんな俺を気にする素振りを見せずハルの首筋をするりと撫でて、髪を梳いた。 「しないよ。今は俺、起きてるハルヒとしたい気分だから」 ―――
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