400人が本棚に入れています
本棚に追加
「…は?」
「だから、八万円」
「そうじゃなくて、今なんて言った?」
「プロポーズしたって?言ったけど、ハルちんそれどころじゃ無かったし聞いて無かっただろうなぁ。起きたらもう一回言わないと」
蓮がテーブルに両手を付いてぐーっと伸びをする。その仕草は可愛いけど、ふとこっちを見た瞳が真剣みを帯びていて。
蓮の正面に座る千冬がずるっと後ろにお尻を滑らせたと思ったら、ガタッと机が揺れた。「ッタ!!」優雅に笑みを溢していた蓮の身体が机に崩れ、人生ゲームの盤が揺れる。
股間を押さえて、悶えてる…
うわ、絶対蹴られた。(えげつない力で)
「蓮はハルヒで遊んでんの?」
それを気にする様子もなく、愁が蓮に言葉を投げる。
浴衣の上からソコを押さえテーブルに額をくっつける蓮は、「なんで?」と。
「ぶっちゃけ昨日まで、ハルヒの事なんとも思って無かったでしょ」
「そんな事無いよ。花音庇ったり、怪我した事周りに隠したり。そういう所、良いなぁって思ってたから。つか痛い、誰か心配してよ…」
言っても、誰も心配を投げ掛ける事はしない。
身体を起こした蓮は、未だ浴衣のソコを押さえたまま。
「ハルヒって思った事言わないじゃん。言うけど自分の事は口にしないから聞いてあげたいって思ったんだよね、俺が。てか俺だけで十分だと思うんだけど」
最初のコメントを投稿しよう!