娯楽倶楽部Ⅱ

温泉旅行３

これは…、一体どういう状況？

開いた襖の横で、広がる光景を見下ろす。

長テーブルの上に広げられた人生ゲームの盤と、無数のカートに玩具のお金が散らばっていて。

テーブルを囲うように空いたスペースで寝る四人は、各々に違う角度で横顔を覗かせている。

「……」

え、ここで寝たの？なんで？

伊澄に関しては背を丸めて少し寒そうにしてるし、蓮は座布団を腰に乗せて恐らく暖を取っている。愁は曲げた腕を、千冬は折り曲げた座布団を枕にして寝てる。

…こんな寝かたしたら風邪引くって。

洋室に戻って上布団を引き摺り下ろし、それを四人に掛けた。ベッドの数から二枚しか無いし、一枚を二人に掛ける。

身長があるせいで長い足が余るけど、

何も無いよりマシだ。

布団を蓮に掛ける時、手が止まる。

「……」

…正直、昨日の事をうっすらとしか覚えてない。覚えてるには覚えてるけど、どうしてああなったのか全く記憶に無い。