温泉旅行3

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ビール一杯であそこまで記憶が飛ぶなんて思わなかった。蓮に何を言ったか分からないけど、多分私が何かしたからああなったんだと思う。 と思うと申し訳無くて、溜め息が溢れた。 …… …取り敢えず、お風呂に入ろう。 適当に鞄から着替えを取り出して、部屋を出る。まだ朝の6時。一声掛けた方が良い気もするけど、寝てるのを起こすのも悪いし、そのまま一階の大浴場に向かって身体を流しさっと出た。 館内は人も疎らで、落ち着いた音楽が流れ、 平穏な時間が流れている。 「あ、ハルちゃん。おはよぉ」 三階の廊下に戻ると、ちょうど花音が百合の間から出て来る所だった。寝起きで素っぴんなのに可愛くて、くるくるっと癖の付いた栗色の髪を胸元に下ろし、くあっと小さく欠伸を溢す。 「皆んなハルちゃんの部屋で寝たんだね。花音だけ一人で狡いよぉ~」 「私も寝たので知らなくて。人生ゲームで遊んでたみたいですね」 「だねぇ。ハルちゃん温泉入ってきたの?」 「汗かいて気持ち悪くて」 「花音の部屋で入れば良かったのに。あっ、そうだ!ハルちゃんの支度、今日は花音がやってあげるね!!」 「え?」 支度?
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