温泉旅行3

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「化粧と髪やらせてっ!雰囲気変えて皆んなをビックリさせようよっ!!」 気付くかなぁ~と、まだ何も言ってないのに左腕を取られて、そのまま右隣の椿の間に誘導される。 男四人が畳を埋めて、テーブルに人生ゲームが散らかった百合の間と違って、部屋に来てから手付かずって程に綺麗に整頓された椿の間。 花音に連れられて上がった私は、 「こっちこっち!」と座椅子に座る。 鞄からスムーズに鏡やポーチを取り出す花音。 さっきまで眠たそうにしてたのに今はすっかり目が冴えていて、いつも通りのくりくりの瞳で私の背後に膝立ちする。 鏡を見たら、こめかみの所が青くなってるのが見えた。 …ヤバい。 バレたら絶対何か聞かれる。(花音含めた五人に) 酔っぱらいには絡まないって豪語した癖に絡んで殴られたとか、バレたら絶対に怒られる。 (※もうバレてる) 「あれ?ハルちゃん顔のとこどうしたの?青くなってるし、口も切れてるけど…」 「…ボーッとしてたらぶつけて」 「え、何処に?」 「温泉で。壁にドーンと」 「そうなんだ…、大丈夫?」 ごめん、花音。 騙されてくれてありがとう。 「隠せますか?」 「完全には無理だけど、コンシーラーで多少は隠せると思うよ。あ、あとウィッグがあるんだった!ちょっと待ってね」
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