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ゴソゴソと大きいバッグを漁って、中から更に色々と物を取り出す。右に左にと髪を引っ張られて成されるがまま。
「ハルちゃんの髪綺麗~っ。でもハルちゃんのヘアオイル、愁ちゃんみたいな匂いがする‥」
…ふと、花音と蓮の事が気になった。
…
花音は蓮のお兄さん(慎ちゃん)が好きで、蓮とは只の幼馴染みって言ってたけど…。私が蓮とヤった事を知ったら、流石に(セックス)フレンドとして面白く無いかもしれない。
酒の勢いで絡んだ私のせいだし、
蓮もだけど、花音にもちゃんと謝らないと。
「…花音、あの」
「んー?」
言おうと思ったら緊張して、変な汗が出る。浴衣の袖に握った手を隠して、つい目を逸らしてしまう。
「花音は、その…、蓮が他の人とヤったりするのは、どう思いますか?」
「やる?何を?」
「何をって…、」
「エッチ?」
……そうだけど。
口に出されると生々しくて、頷くのを躊躇う。
頷きも返事もしない私の顔を鏡越しに覗いた花音はそれだけで「そうだなぁー」と、持っていた手櫛を顎に当てて、全く気にする様子もなく上を見上げる。
にこっと笑った後、再び櫛を髪に戻した。
「気にならないかなぁ」
「…そうなんですか?」
「うん、蓮とは付き合ってる訳じゃないし。セフレってそういうものだよ」
「そうなんですね」
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