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「あ?」
「千冬も駄目だって!!ハルちゃんが皆んなに汚されるっっ!!!」
半泣きの花音が声を荒げた。
「ー!??」
何を考えてるか分からなくて、千冬と喋るのは苦手だって言ってたのに、物怖じせず寧ろ啖呵を切り初めて。手櫛の先が真っ直ぐ千冬に向けられる。
「ハルちゃんは結婚しないからっ!!!」
「するよ」
「しないっ!一生独身っ!!それか日本じゃなくてアメリカで結婚する!!!」
なんでアメリカっ!??
別に外人が好みって訳じゃないんですがっ??
(※アメリカ 同性愛者の結婚が認められた国)
何故か怒った花音と、花音の怒りに苛立ちを見せる千冬。二人の板挟みに合い、せっかく穏やかだった空気が直ぐに張り詰める。
…居心地が、悪い。(ハルヒのせい)
怒ってるし、花音は千冬にやーやーと文句は言ってるけど、慣れた手付きで手は動いていて。どんどん髪がセットされていく。
頬杖を付いて脱力気味に、それでも時折花音を見上げ文句を溢しながら口数が少なくなった千冬。
その下から、ずるっと衣擦れの音が聞こえた。
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