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と思ったら両膝を起こして座る私の浴衣の裾から何かが入ってきて、ビクッと身体が反応する。
千冬を見ても、澄ました顔で花音を見ていて。
ぐらっと体勢を変えた身体が、テーブルに深く崩れて。
「あー、そうかよ」
「そもそも付き合ってないんだから…」
「お前は何なんだよ」
窓の外を向き、こっちを見もしない。
でも入り込んだ足が、身体を捩らせる前に足の付け根に触れる。指先がショーツの上から、迷うこと無くソコを押し上げる。
「ッッー!??」
そこで漸く、すっと角度を付けた顔が私に向けられた。手の甲で影が出来た口元が、隠れた位置でゆらりと上がる。
「そういやお前、風呂上がり?」
私を見て、
「まだ濡れてね?」
顔がぶわっと熱くなった。
馬鹿丸出しの顔が目の前の鏡に映るから、今すぐガラスを破壊したい気分なのに、これは花音の大切な鏡で。花音が使ってるから避ける事が出来ない。
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