温泉旅行3

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それから少しして、愁、伊澄が起きてきた。蓮が起きないから皆んなで起こしに行って、全員でレストランに降りる。 昨日の座敷での和食とは違い、朝は和風テイストのレストランで朝食バイキングを楽しんで、凄く美味しいんだけど… 「……」 …正直、長いウィッグと重い前髪が邪魔で仕方無かった。せっかく花音がやってくれたんだから文句は言えないけど、ショートヘアに慣れてしまったからか視界が狭い。 濃いめのマスカラも、 コンタクトに合わせて目が乾く…。 昔は髪を結って貰っただけで鏡を見続けるって可愛い時代があったのに、今はお洒落が邪魔だなんて。 相当、女心が腐ってきたのかもしれない。 「ハルちゃん凄く可愛いよっ!!」 「そうしてるとホント、普通に女子だね」 この人達は、容赦なく私の傷心を抉る。 (発言者、花音と伊澄) 「普段も普通に女子なんですが…」 「女子は女子にナンパされたり、物をパクられたりしないんだよ」 パクられる…?何を? 隣を見上げた。 澄ました顔の愁と目があって、呆れ顔で笑われる。
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