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…最後、
チェックアウトの前に部屋で話そう。
廊下で別れて、各自部屋に入る。
入って直ぐ、まだ何も言ってないのに蓮が振り返って悪戯に目を細めるから、私は怪訝に顔を歪めた。
「ハルちん何?さっきから俺の事追っ掛けて」
「…気付いてたんですか」
だったらなんで逃げるんだ。
「ハルちんがちょこちょこ付いて来るから可愛いくて、面白いから逃げまくってた」
「…逃げないで下さいよ」
「で、なに?話」
部屋の入り口入って直ぐ、扉の縁に凭れた蓮は腕を組んで私を見下げる。横向きの顔が、私の言葉を待っている。
変な緊張に包まれるけど言わなきゃと…、
意を決して息を吐き、蓮の顔を見上げた。
「昨日の事、」
「あー、うん。昨日ね」
「その…、すいませんでした。酒に酔ってたとはいえ…その、ほとんど覚えてないんですけど、多分何かしましたよね」
「うん、したねぇ色々」
…やっぱり。
「だから、その…、申し訳無かったって、」
「ほとんど覚えてないって、何なら覚えてんの?」
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