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理解が追い付かなくて、掴まれた手から視線を上げた。目が合った瞬間、ぎゅっと手首を掴む蓮の手に力が籠って、心臓がリズムを変えて鼓動を刻む。
息の仕方を忘れたみたいに苦しくて、
浅く呼吸を繰り返しながら。
ふざけて言ってるんじゃないことがなんと無く伝わって、だからって簡単には理解出来ないから、下手くそな笑いが溢れた。
「ちょっ、と…、待って下さい」
蓮の手を掴む。離そうと指を引くけど、離れない。
「なんの冗談ですか?」
「ハルヒが好きって、マジな話」
「嘘ですよね?なんで急に、」
「ハルヒも急って言うんだね。俺はここ最近、結構良いなぁと思って絡んでたんだけど」
……
「けっ、こんは止めて下さい。そういうのは軽々しく口にする事じゃ無いです」
「全然軽く言ってない。分かんでしょ?…ハルヒ、こっち見て」
「‥いやです」
「見て」
「いやです」
「んー‥、そっか。」
そう言って動いた気配。指の力が緩むから、今なら抜けると思って腕を引く。でも逆に、「っ!??」強く身体が前に引かれて、
「俺が見よっか」
後頭部を押さえられたと思ったら唇が噛まれて、目の前には瞼を落とした蓮の顔があった。
閉じてた癖に、唇が合わさった瞬間目が開く。数センチの距離で私を捕らえたまま、強引に入り込もうとする舌を眉を寄せ必死に拒む。
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