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チケット争奪戦
週が明けて月曜日。
学校に行くと、
「ハル君!運動祭の練習しよーっ!!」
最近は日課になったクラスメートの女の子に声を掛けられて、体操服に着替えた私はグラウンドに向かう。
…朝から凄く元気だ。
グラウンドを走り回る女の子と、数人の男子を見て思う。男子も女子も練習そっちのけでキャッキャと戯れている所を見ると、運動祭の練習というより青春にあやかった多少の下心は感じられるものの、凄く楽しそう。
クラスの雰囲気は、他と比べて良いと思う。
中学は人と群れず学校行事もほぼ参加するだけだった私からしたら、その輪に入ってるのは不思議な位だ。
多分、中学の同級生が見たらビックリするだろうな。
性別が男に変わってる事が、一番の驚きだろうけど。
膝に頬杖を付き、遠目にその様子を眺める。
と、一人の男子生徒と目が合い、
彼はこっちに向かって走ってきた。
頬杖を外し彼の到着を待っていれば、あっという間に距離を詰めたその人は目の前に立ち、息を切らしてニッと笑う。
子犬みたいな笑い顔。
石段の隣に腰を下ろし、真横から私を見た。
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