チケット争奪戦

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…最近はずっと彼等と居たから忘れてたけど、本来の男子高校生(同士)ってこんな感じだよな…。楽しそうで何よりだけど、やっぱり近いから少し離れて欲しい。 彼等相手なら鳩尾を抉るか蹴るかして距離を取る所を、根が悪く無さそうな南君には流石に自制する。 遠慮がちに胸元を押して、少し距離を取る。 「それだけ力が余ってるなら走ってきなよ」 「だぁかぁらぁ、ハルヒも一緒にやろうぜ?」 胸元を押した手首を掴まれた。 「やっぱ細ぇなぁ、身体だけなら女みてぇ」と掴んだ手を見下ろし、拓真がするりと手首に指を滑らせるから、愛想笑いを溢して腕を引く。 「分かった。行く行く、行くから離し‥」 バシッ、と。肩に回っていた手が誰かに叩かれた。 「いって!」と言った拓真を横目に振り返れば、石段の一段高い所から私達を見下ろす伊澄が居る。 相当不機嫌な顔で、 朝日に照らされた眼光が、迫力を増し据わっている。 「何してんの?」 「伊澄」 「…げ、」 げ、って言ったでしょ。失礼だよ拓真さん。
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