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周りに流されないし、ちゃんと自分を持ってる。右往左往しない真っ直ぐな所が良い所だし、でもだからこそ、そういう面を周りの人にもっと知って欲しい。
避けてたら何も分からない。
伊澄はそれでも、どうでも良いんだろうだけど。
と、
「俺はハルが男扱いされんのが面白くない」
と自分の事はさておきそんな事を言うから、ついきょとんとしてしまう。‥それこそ今更どうでも良いよ。男だろうと女だろうと。
この場凌ぎで、性別の垣根を越える訳じゃ無いんだし。
「ハルはこのまま男で良いの?」
「男になるつもりは無いよ?」
「可愛いのに勿体無い」
「……」
「さっきの男も、ハルが女って分かった瞬間態度変えんだろうね。愛想振り撒いてた女も、簡単に手のひら返したりして」
グラウンドの奥、
遠くを見ていた目が、すっと私に落ちる。
高さを成した手が私の眼鏡を外して、目尻の下を、掻くように持ち上げる。
「想像するだけでムカつく」
「……」
「アイツ等が触んのもムカつくけど、知らねぇ奴にハルをとやかく言われる方が面白くない」
「……」
「何かあったら言って。俺はハルのモノだから」
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