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「おはよ」
「おはようございます」
「ジャージだね、珍しい」
「あっ、制服‥」
「も、ちゃあんと持ってきたよ?偉い?」
愁と話していたら、割って入る軽い声。
見れば蓮がソファーの傍らで男物の制服を胸に抱き、鼻を寄せている。外日に照らされて眩しい室内で、溶けるピンクに瞼を落とした横顔がエロちっくだけど、冷静に何をしてるんだあの男は。
まさかそれ、私が着てた制服じゃないよね?
だとしたらちょっと待て。気持ち悪いぞ。
「また練習してたの?」
愁の声に意識を戻す。今日も今日とて淡い蜂蜜色の前髪をふわりと後ろに流し、柔らかい端正な顔立ちを惜しげも無く露にした愁は、素で綺麗な肌をしていて。
…週明けの彼等は相変わらず目の包容だなぁと、思わず目を細めて一瞥した後、顔を逸らす。
「もう直ぐなので、皆んな躍起になってるんですよ」
「色恋にでしょ?」
…色恋?
「イベント毎ってそういうの多いからね。特に好きじゃなくても雰囲気作り?誰かとハチマキ交換したり、応援で制服借りたり、誰でも良いからイチャついたりしたいんだよ」
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