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02.暇な時って、だいたい退屈してる
そもそも地獄の世界には問題が山積なんですよね。
先ずはキャパオーバーという問題。
これは人間道――日本――の少子高齢化の比ではない訳ですよ。
地上からは死んだ人がやって来るでしょ。
前から居る亡者はなかなか転生できないから、増える一方。
そもそも、立派な人は天道へ逝くし、
まぁまぁの人は人間道で生まれ変わる仕組み。
つまり、どうしようもない下衆野郎が地獄道に堕ちてくる訳ですよ。
供給過多なんです。人の数だけ人が居るようなもんですよ。
地獄がオープンした縄文時代は26万人が人口のピークだったから、暇だったそうです。
暇な時って、だいたい退屈してるんですよ。
それが今では人口だって、460倍以上の1億2千万人もいる訳です。
460倍ってことは、たまに僕の頭に朧気ながら見える謎の数字『46』の10倍ですよ。
母数が多いと、亡くなる数も多くなります。
1日あたり3750人が死んでいる訳ですよ。
覚えていますか?
かつて黄泉の国でイザナミが約束を破った旦那イザナギにマジ切れした時の宣言。
てめぇ、1日1000人くびり殺してやっかんな――。
あの口約束よりも3.75倍も増えている訳で、明らかに公約違反なんですよね。
そうだ、正式にイザナミさんに抗議を申し入れよう。
嗚呼もう、また余計な仕事を増やしてしまうとこだった。
どうせ、稟議書通らないし。
で、何? この目の前の景色は。
どうして地面が落ちて来てんのよ……。
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