見合い話

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車が走り出す。 「君は見合いの話を訊いてるか?」 「はい、私の異母妹とのお見合いですよね。存じております」 「君の父親から父に持ち込まれた見合いだ」 父の話では平沢家から頂いた見合い話だと訊いたけど。 「俺は相手が君だと思って見合いを承諾したが、見合い写真を見れば、君の異母妹の真澄さんだった」 「・・・」 「君の方から家族に説明して欲しい」 「それは出来ません。真澄は貴方とのお見合いを心待ちにしています」 「そうか…出来ないか…」 「真澄は明るくて、社交的で副社長の妻としての役目も立派にこなすと思います」 「君では俺の妻は務まらないのか?」 「私はダメです。人前でお話をするのは苦手ですし、真澄のように華がありません」
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