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「でも、あの時…拙な説明だったが開発部の人間である君の熱意は感じた」
「・・・」
「…俺は君の熱意を買って、商談に応じだ」
「あの時の事は忘れていません。今でも貴方には感謝しています。でも、真澄を裏切れません」
「副社長の口から社長に説明した方が宜しいではないですか?」
赤信号で車が停止した。
すると運転席に座っていた奥中さんが副社長に助言した。
「・・・そうだな」
青信号で車が発進すると彼が私に謝った。
「すまない…」
彼は私を見合い相手に望んでいた。それを知り、何だか嬉しくなった。
真澄と一緒に居れば…高い確率で男性は真澄を選ぶ。
地味な私には見向きもしない。
でも、彼は私を…
その事実だけでキモチが満たされていた。
彼は私を最寄り駅まで送迎してくれた。
「ありがとう御座います」
「本当にすまない…」
彼は最後まで真摯に謝った。
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