二十三回忌の波紋~侑吾side~

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俺は笠原さんとお婆様に責められ、いたたまれなくなり、席を外した。 お手洗いに行き、洗面所の鏡を覗いて、自分の顔を見た。 俺の顔は酒で赤くなっていた。 酔いを覚まそうと顔を少し洗った。 父さんはお婆様が認知症を発症していると言っていたが、俺が見る限り、そんな症状や言動は全くなかった。 「!?」 「止めてください…」 酔った笠原さんが香澄に絡んでいた。 「…侑吾君に毎晩、抱かれているんだろ?侑吾君が下手だから、赤ちゃんができないんだ。わしが教えてあげるよ…」 「いえ…結構です…」 一緒に飲みに行った際、飲み屋の女性を口説いるのは何度か目撃していた。まさか…俺の妻を口説くなんて… 「笠原さん!!」
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