二十三回忌の波紋~侑吾side~

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『東亜医科大付属病院』救命外来。 「たかが・・・抱きつかれたぐらいで…これだから…良家の娘は困るんだ…香澄さん…君は平沢家の人間になったんだ…自覚を持ってくれ」 父さんは笠原さんの説明を鵜吞みにして香澄を責めた。 「申し訳ありません…以後、気を付けます」 「香澄、謝るな…悪いのは笠原さんの方だ…父さんは笠原さんの味方なんだな…」 「侑吾お前も…相手の打ちどころが悪かったら、亡くなっていた可能性だってあるんだぞ・・・全く」 「まぁまぁ社長も侑吾も落ち着いて…」 俺と父さんの間を成介が取り持った。 「いやいや…心配させてすまない・・・」 笠原さんが奥さんと共に処置室から出て来た。 「侑吾…香澄さん…謝るんだ!」 と父さんが俺たちに謝罪を強要した。 「…行くぞ…香澄」 「で、でも・・・」 俺は香澄の腕を掴んで、その場から逃げた。
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