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「二人して…喪服だけど…不幸があったのか?」
「いや…祖父の二十三回忌の法要があったんだ…」
「そうか…侑吾は確か…祖母に育てられたと言っていたな…」
「まぁな」
「お前を育ててくれた祖母はご健在か?」
「健在だ…でも、認知症の症状が出ているらしい」
「タミ様が認知症?私…初めて訊きました…」
「俺もついこの間…父さんが訊いたばかりだ…」
「でも…今日、お話した限り…認知症の症状は見られませんでしたけど・・・」
「俺もだ…」
「…侑吾と香澄さんも分からないという事は初期の段階で…断片的に出ている雰囲気かな?」
「そうかもな」
「だから…近いうちに父さんに当主の座を譲る話が出るかもしれない」
「俺は行くわ…侑吾に香澄さん」
「またな…光」
「あぁ~」
槇村先生は短く手を振り、院内に戻って行った。
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