私の秘密

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私たちは笠原さんに謝罪しないまま、一週間が過ぎた。 突然、タミ様から私の携帯に電話があり、三鷹の井の頭の邸宅に呼び出された。 応接室にはタミ様とお継母さんと真澄の姿があった。 「貴方のお継母さんと娘の真澄さんから訊きましたよ…貴方の体には大きな欠陥があると…」 「!!?」 私の体に欠陥!? 「私が指定した産婦人科医のブライダルチェックを断り、貴方のお父様は東亜の医科大付属病院の産婦人科医の辻医師にブライダルチェックを依頼した…それは全て…貴方の重大な体の欠陥を隠すものだったんですね…」 「私は何も…」 「…お父様は会社の為に隠ぺいしたのよ…香澄」 私には全く話が理解できない。 「このお二人も貴方と同じ血族ですが…その遺伝病に関しては保因者ではないと訊きました」 「・・・でも、香澄貴方は姉さんと同じで遺伝病の保因者なのよ!」 「お継母さん!?」 「その遺伝病は国が難病指定している病で…未だ治療方法が確立されていないと訊きました。母親が保因者の場合、五十パーセントの確率で男児にその遺伝病が発病すると言うらしいです…貴方のお兄様もその遺伝病を発病し、二歳で死亡したそうですね」 「お兄さん?」 私は訊く事全てが初耳で、頭の中が混乱した。
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