大切な宝物

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男児の方が体が弱いと訊いた通り、泰雅の方が若葉よりも体調を良く崩した。 「私は…料理の仕込みがあるから…行くわね…」 「うん」 母は身支度を整え、私に泰雅を任せて出て行った。 「泰雅…お熱があるんだから…テレビはダメよ…寝なさい」 「・・・ボク、ねむくない・・・」 「ダメ…明日も熱がったら、保育園に行けないでしょ?」 「ほいくえん、いきたくない・・・へやであそぶ」 「ダメよ…ママもおばあちゃんもお仕事いけなくなるでしょ?」 「・・・」 泰雅は小さなお口を尖らせ、拗ねた。 「じゃママと一緒に寝ようか?」 私も泰雅と一緒にお布団の中に入った。
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