出逢った場所で

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真澄は平沢副社長が望むお見合い相手が私だと知り、激怒した。 常に私よりも優位な立場に立っていなければ、気が済まない真澄。 真澄のプライドの高さから許せず、社内に私の悪名を流したんだと思う。 「慣れっことは…どういう事だ?」 平沢副社長は神妙な表情で問いかけて来た。 「いえ、もう戻らないと」 私が踵を返そうとすると彼が私の右手首を掴んだ。 「俺もストレートに君の事を真澄さんに話してしまった事は心の底から悪いと思っている。その後の真澄さんの言動は訊くに堪えない君を貶めた言動ばかりだった。だから、俺は君達は母親が違えど姉妹だろうと説教した。俺の説教で益々、彼女は怒ってしまって…それ以上は話せなかった」 「痛いです。この手を離して下さい」 「すまない」 平沢副社長は私の手首から手を離した。
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