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そんな俺が気に掛けた女性もまた家族に恵まれていない同類とは。
「何を考えているんですか?」
「別に、仕事の事だ。それよりも先方には日時変更の電話は入れたのか?」
「入れましたよ」
「ならいいが」
「今頃、香澄さんの耳にも政略結婚の話伝わっていますよね…ディナーに誘いますか?」
「俺と彼女の事は放っておいてくれ、奥中」
「いや、俺…副社長の恋が成就してとても嬉しいんです」
「・・・いいから、俺と彼女の事は干渉するな!」
「分かりました。副社長がそこまで言うなら、俺は温かく見守っています」
俺は軽く嘆息して、気を引き締めて、デスクトップのパソコンに向かった。
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