同類~侑吾side~

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『政略結婚』とは・・・ 奥中の言った通り思い切った事をしたと思う。 彼女の異母妹・真澄さんとの縁談を破談にして、彼女自身からは会いに来ないでくれと言われて、もう二度と香澄さんには会えないと思っていた。 彼女はこの政略結婚をどう思っているだろう。 どんな顔をして、彼女に会えばいい? 「なぁ―奥中」 「何ですか?」 奥中も自分のデスクに戻って、ノートパソコンを弄っていた。 「どんな顔をして香澄さんに会えばいいと思う?」 「副社長、さっき言ったでしょ?二人の間に口を挟むなと…」 「確かに言ったが…彼女は俺に会いたくないんだぞ」 「副社長は彼女の婚約者。堂々としていればいいんですよ」 「まずは『パロット』の担当は副社長に任せたと社長も仰っています。まずは仕事を並行して『パロット』に足を運び、香澄さんと会いましょう」 「そ、そうだな」 「仕事は出来るのに、恋愛沙汰となるスキルはゼロですね」 「うるさい」
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